晩春
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小津安二郎監督の作品。(1949)
この映画を見たのは、中学3年生の春休み。「受験が終わったら、映画を見まくるぞ!」と決意して、なぜか、邦画ばっかり見た中の1本です。
この時ちょうど、12チャンの深夜に小津だの黒沢だのの古い映画が沢山やっており、名前だけは知っていたので録画して見ました。
見た時は、何せ中3なんで、なんだか何が面白いんだか全くわからなかったのですが、見終わった後、掃除をしててもテレビを見てても笠智衆と原節子の映像がぼわーんと頭に浮かんで、離れませんでした。
そんな風にズルズル印象に残る映画は初めてだったので、「私、この監督の作品、多分好きだ。」
と無責任に感じた思い出があります。
今も、情けない事に精神構造が中3から変わっていないんだか、小津作品への感じ方は、見ている時の楽しさ以上に、見た後の噛み締め度の高さが、私の中で他に追随するものが無く、それが小津好きと吹聴している大きな理由のひとつです。
この「娘が嫁に行く話」はもう、何度も何度も何度も何度も、小津映画には出て来るので、どれがどの話だったんだか、混乱しています。「晩春」はそんな中でも一番シンプルに父・笠智衆、娘・原節子。の関係のみで成り立っている映画です。
で、ですね。やっぱりセリフはトンマ、トンマ、トンマの応酬です。特に子供。本当に子供いいよなあ。
まず、初めの笠智衆の会話は、麻雀に勝ったの負けたのではじまり、
原節子は「おじさん不潔」を連発。いくら伏線だからって、酷いよ。笑ってるけど。
原節子と友達の会話。なんだい。こりゃ。ひどいって。早口に言ってても誤魔化されないよ。ひどすぎだってば。
そして極めつけ。杉村春子の息子のあだ名「ぶー」。
え、ありえないでしょ。原節子、「ぶーぶーぶーぶー」連呼。
ラスト、京都で原節子、お父さんと離れたくないの、と言う所、なんだか少し気持ちわるいんだよなあ。
その後の笠智衆のセリフがとてもいいのでまあ、見れるのですが、ちょっと変。
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