恋する惑星

この映画をみたのは大学一年の時でした。1995年です。私は大学に入りたてで、その上ゲイジュツ学部なんかに入ったものだから、おゲイジュツ映画は片っ端から見なければ、と鼻息荒くゴダールだのトリュフォーだのフェリーニだの見ておりました。

そこにこの映画と、タランティーノの「パルプフィクション」が上映されていました。

もともと爺臭い私は小津が好きでして、お洒落映画はわけわからん、恥ずかしい、と一蹴していた節があったのに、この映画はやっぱりどうしても面白かったし、もの凄く新鮮で、私にも「あたらしい」という感動がありました。

だから、大変恥ずかしいですが、もの凄く私の中では「せえしゅん」映画なのです。色んな方が学生時代に見た映画の感動を今でも忘れられないように、私の中では、きっとずっと愛すべき映画として心に残って行くのかと思います。

そしてやっぱり多くの人がそうだと思うのですが、カンフー映画以外で、中華圏の映画を見るきっかけになったのでした。「さらばわが愛・覇王別姫」「紅いコーリャン」「欲望の翼」と立て続けに見てゆきました。

今見ると、あんなに新しく感じていたのに、何やら名作・古典の域にちょっと達してきてしまったな。とおもいます。ちょいと寂しい・・・。
それにしてもフェイがかわいいこと。かわいいこと。そして、やっぱりこの映画の金城武はいいです。二人とも素人っぽいところがたまりません。

こういう笑いを作る人がなんで少ないんだろう。だから王家衛はあんなに騒がれたんだな。と思います。他のどんな王家衛映画を見ても笑い心は忘れてないし。そしてやりすぎたらダメなのに、キチンと抑えた笑いのトニーレオンっぷりはやっぱりすごい。

そしてやっぱりあのつなぎ方。トニーレオンが毎回お店にやって来る時、なんの説明もなく、次の日、次の日、次の日、と音楽も途切れず羅列し、次の瞬間、音楽なしの雑踏音の中で現れたり。今見てもすごいよなー。

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